2025年3月おたいら音楽集|春の予感に揺れる6曲(前編)

毎月心に残ったおすすめ曲をジャンル問わず紹介する「おたいら音楽集」のアイキャッチ画像です 音楽

春の足音が少しずつ近づいてくる3月。寒さの残る朝と、柔らかな陽射しが差し込む午後のコントラストが、心の中にさまざまな感情を呼び起こします。卒業、別れ、旅立ち、そして新しい出会い。そんな季節にぴったりな音楽を集めたのが、今回の「おたいら音楽集」3月編です。

前編では、春の予感に揺れるような6曲を紹介します。乃木坂46の青春と疾走感、ハチの哲学的なボカロ、back numberの恋愛観、YOASOBIの人間讃歌、緑黄色社会の鋭い言葉。ジャンルも表現も異なる6曲ですが、どれも「春の始まり」にふさわしい、心を揺さぶる力を持っています。

音楽は、季節の変わり目にこそ深く響くもの。今回の6曲が、あなたの春の記憶にそっと寄り添ってくれることを願って──。

それでは、2025年3月前編のおすすめ6曲をご紹介します。

  • チートデイ|乃木坂46
  • ドーナツホール|ハチ
  • 歩道橋|乃木坂46
  • 君の恋人になったら|back number
  • UNDEAD|YOASOBI
  • 恥ずかしいか青春は|緑黄色社会「チートデイ」|乃木坂46

チートデイ|乃木坂46

乃木坂46の「チートデイ」は、恋愛と日常の“ちょっとした甘え”をテーマにしたポップチューン。タイトルの“チートデイ”は、ダイエット中に好きなものを食べていい日のことですが、この曲では「好きな人に会いたい」「ちょっとズルしたい」という気持ちを肯定的に描いています。

歌詞には、「よろしくチートデイ ズル休み どうしても会いたくて 授業をエスケープ」や「制服脱ぎ捨てて 海へ行こう Out to sea」といったフレーズが登場し、青春の衝動と自由への憧れが鮮やかに描かれています。さらに、「初志貫徹 チートしたっていい 本気なら 後からバレたって 君が一番大事」という一節からは、恋に対する真剣さと、少しの背徳感が混ざったリアルな感情が伝わってきます。

サウンドは軽快で、ギターとシンセが絡み合い、春の陽気にぴったりな明るさを持っています。私はこの曲を聴いて、「完璧じゃなくても、たまには自分を甘やかしていい」と思えるようになりました。SNSでは「元気が出る」「朝に聴くとテンション上がる」「恋したくなる」といった声が多く、乃木坂46の新たな“春ソング”として定着しつつあります。

ラップ風のAメロや王道のサビももちろん良いですが、なんといってもこの曲の目玉はサビ直前の「ごめんなさーーーっい!」ではないでしょうか。これを受けたファンの「うぉーーーっ!」な叫びが何故か私には聞こえてきます。ライブではいきなりオープニングで盛り上げたり、最後のクライマックスメドレーの最初に流れてくるとテンション爆上がりです。これから熱い暑い季節となっていきますが、これを聞いて元気に過ごしていきましょう。


ドーナツホール|ハチ

ハチ(米津玄師名義のボカロP時代)による「ドーナツホール」は、哲学的で抽象的な歌詞と、疾走感のあるサウンドが特徴のボーカロイド楽曲。初音ミクを使用したバージョンとGUMI版が存在し、どちらも多くのファンに支持されています。

この曲は、空虚さや喪失感、そしてそれを埋めようとする衝動をテーマにしており、聴いていると頭の中がぐるぐると回るような感覚になります。ギターのリフとリズムの展開が心地よく、サビでは一気に感情が爆発するような構成になっていて、ライブでも盛り上がる定番曲です。

私はこの曲を聴いて、「何かが欠けているからこそ、人は何かを求めるのかもしれない」と感じました。SNSでは「歌詞が深すぎる」「何度聴いても新しい発見がある」「米津玄師の原点」といった声が多く、ボカロ文化の中でも屈指の名曲として語り継がれています。MVのビジュアルも印象的で、視覚と聴覚の両方から強く訴えかけてくる作品です。

リバイバルで2024年版新MVが作られました、曲自体は色あせず、あいかわらずの名曲ですが、今回近未来な世界でボカロが動き回る映像が加わることでさらにエモくなっています。このMVをぜひ短編でもいいので映画化して欲しいと思うのは私だけでしょうか。


歩道橋|乃木坂46

「歩道橋」は、都会の風景の中にある“歩道橋”を舞台に、すれ違う想いや、言えなかった言葉を描いた切ないバラード。春の夕暮れ、制服姿のふたりが歩道橋ですれ違う──そんな情景が浮かぶような演出が印象的です。

サウンドはピアノとストリングスを中心に、静かに感情を積み重ねていく構成で、乃木坂らしい“切なさの美学”が際立っています。メロディはゆったりとしたテンポで、聴いていると胸が締め付けられるような感覚になります。MVでは、歩道橋の上で交差する視線や、夕焼けの光が感情を象徴するように描かれており、視覚的にも心に残る作品です。

私はこの曲を聴いて、「言えなかった言葉も、確かに心に残っている」と思えるようになりました。SNSでは「卒業式に聴いた」「泣ける」「青春の記憶が蘇る」といった声が多く、ファンの間では“隠れた名曲”として高く評価されています。

君の恋人になったら|back number

back numberの「君の恋人になったら」は、2016年のアルバム『ハッピーエンド』に収録されたラブソング。恋人になったらどんな風に相手を思い、支えたいかを、優しくユーモラスに描いた歌詞が印象的です。

歌詞には、「もし僕が君の恋人になれた時は 毎日3時間は君の事を考える」「地図と毛布と水筒を持ってくから一緒に迷おうぜ」など、具体的で温かい想像が並びます。それはまるで、恋人になった未来を一つ一つ丁寧に描いていくような、愛の設計図のようです。

サウンドはアコースティックギターを中心に、穏やかで心地よいテンポ。清水依与吏の歌声は、少し照れくさそうで、それがまたリアルな恋心を感じさせます。私はこの曲を聴いて、「誰かを思うことは、こんなにも優しくて自由なんだ」と感じました。SNSでは「理想の恋人像」「聴くたびに泣ける」「back numberらしい優しさ」といった声が多く、今もなお多くの人に愛される一曲です。

rio movieさんが作成されたMVもこの曲にぴったりの映像です。お時間あればぜひ観てください。 → 【MV】君の恋人になったら If i can be your boyfriend(Love Songs)


UNDEAD|YOASOBI

YOASOBIは、「小説を音楽にする」というコンセプトで活動するユニット。
Ayaseのプロデュースと、ikuraの歌声が融合し、物語性のある楽曲で多くのヒットを生み出しています

「UNDEAD」は、2024年に発表された楽曲で、原作小説『なでこパスト』『しのぶフューチャー』をもとに制作された“物語音楽”。過去に囚われた少女と、未来に悩む吸血鬼の物語を軸に、「今を生きること」の意味を問いかける力強いメッセージソングです。

歌詞には、「不幸に甘んじて満足するなよ」「幸せになろうとしないなんて卑怯だ」「生きていることとは変わり続けることだ」といったフレーズが登場し、聴く者の背中をそっと押してくれます。YOASOBIらしい文学的な表現と、エレクトロニックなサウンドが融合し、疾走感と深みを両立させた一曲です。

ikuraの歌声は、優しさと力強さを兼ね備え、聴いていると「自分も変わっていいんだ」と思えるようになります。私はこの曲を聴いて、「過去も未来も変えられないけれど、今は自分で選べる」と感じました。SNSでは「泣ける」「励まされた」「YOASOBIの新境地」といった声が多く、彼らの代表曲のひとつとして語られています。

とても早口の歌詞とダンサブルでスタッカートなリズムが特徴のこの曲、TikTokやインスタグラムなどで歌ってみた、踊ってみたが流行りました。ついつい口ずさみたくなる、ステップを踏みたくなる、そんなYOASOBI曲です。


恥ずかしいか青春は|緑黄色社会

緑黄色社会の「恥ずかしいか青春は」は、2024年夏にリリースされた楽曲で、ABEMAの恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。夏休み編2024』の主題歌として書き下ろされました。アップテンポなサウンドに乗せて、青春のまぶしさと痛みを真正面から描いた一曲です。

「恥ずかしいか青春は」「馬鹿らしいか真剣は 僕ら全力でやってんだ」といったフレーズが印象的で、青臭さや不器用さを肯定するような力強さがあります。ボーカル・長屋晴子のエモーショナルな歌声が、感情の揺れや葛藤を鮮やかに表現し、聴く人の心を揺さぶります。

私はこの曲を聴いて、「あの頃の自分も、今の自分も、全部ひっくるめて青春だったんだ」と思えました。SNSでは「泣けるほど共感した」「部活帰りに聴きたい曲」「青春の応援歌」といった声が多く、リョクシャカらしいポジティブなエネルギーが詰まった楽曲として支持されています。私もライブ盤の映像を見ましたが、出だしから激しい歌いだしで、そのまま最後まで熱く生きていこうよというメッセージを体全体で表現したステージで、とてもパワーをもらいました。「恥ずかしいか青春は」は、過ぎ去った日々を振り返る人にも、今まさに青春を駆け抜けている人にも響く、まさに“全力の証明”のような一曲です。

というわけでライブ版の映像で紹介です。少しでも現地の空気を感じてノリノリになってもらえたらと思います。

📝 まとめ

今回紹介した6曲は、春の始まりにふさわしい、心の揺れや希望、そして少しの切なさを描いた作品ばかりでした。乃木坂46の「チートデイ」は、青春の衝動と甘えを肯定するポップチューンで、春の陽気にぴったりな明るさを持っています。同じく乃木坂46の「歩道橋」は、言えなかった言葉とすれ違う想いを描いたバラードで、春の夕暮れに染みる一曲です。

ハチの「ドーナツホール」は、哲学的な問いと疾走感のあるサウンドが融合したボカロの名曲。back numberの「君の恋人になったら」は、恋人になった未来を優しく描いたラブソングで、聴くたびに心が温かくなります。YOASOBIの「UNDEAD」は、過去と未来に囚われながらも“今を生きる”ことの意味を問いかける力強いメッセージソング。 緑黄色社会の「恥ずかしいか青春は」は、青臭さも衝動も全部肯定するような、まっすぐな青春讃歌。全力でぶつかることの尊さを、熱量たっぷりのサウンドで描き出しています。

それぞれの楽曲が、人生の節目や感情の揺れに寄り添いながら、聴く人の背中をそっと押してくれるような存在です。音楽は、季節の変わり目にこそ深く響くもの。今回の6曲が、あなたの春の記憶にそっと寄り添ってくれることを願って──。


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