おたいら音楽集セレクション |4月〜6月の厳選9曲

毎月心に残ったおすすめ曲をジャンル問わず紹介する「おたいら音楽集」のアイキャッチ画像です 音楽

2025年4月から6月にかけて、個人的に心に響いた38曲の中から、特におすすめしたい9曲を厳選しました。
この「おたいら音楽集」では、ジャンルや知名度にとらわれず、純粋に“良い”と感じた音楽を紹介しています。
今回は、春から初夏にかけて出会った楽曲の中でも、メロディ・歌詞・世界観・演奏・映像など、何かしらの強い魅力を感じたものを中心に選曲しました。
音楽好きの視点から、少しでも新しい発見や共感が生まれるような記事になれば嬉しいです。
それでは、厳選9曲の紹介に入ります。今回は曲順も考えました。ライブの定番ですが、オープニングで盛り上げ、中盤は少し落ち着いて聴かせ、最後は再度盛り上がる構成にしました。

Super超「桃太郎の唄」

Super超は、AI技術を活用して作詞・作曲・グラフィックデザインまでを手がける音楽クリエイター。楽器は弾けず楽譜も読めないながらも、AIと感性を武器にTikTokやYouTubeで楽曲を発表し、独自の世界観を築いています。2025年3月に配信された「桃太郎の唄」は、童話「桃太郎」をテーマにしたオリジナルのロックナンバーで、TikTokで30万PVを超えるヒットとなりました。

この曲は、桃太郎の物語を現代的な視点で再構築し、勇気や葛藤、仲間との絆を描いています。ジャンルは邦ロックに分類され、エレクトロ要素を含んだ疾走感のあるサウンドが特徴です。AIによる音楽生成ながら、感情の揺れや物語性がしっかりと表現されており、聴き手の想像力を刺激します。

SNSでは「童話のイメージが覆された」「笑えるのに泣ける」といった感想が多く、幅広い層に受け入れられています。物語性と現代的な皮肉が融合したスタイルは、Super超の持ち味でもあり、AI音楽の可能性を感じさせる一曲です。

歌詞は確かに桃太郎なんですが、よく昔話に出てくる少年ではなく、下のMVのように青年桃太郎が主人公の両親への感謝や、これから鬼に立ち向かう心意気、オレはやるぜ!という熱い想いがあふれた曲となっています。

Super超の「桃太郎の唄」は、童話を題材にしながらも、現代の若者の心情をリアルに描いたオリジナルロック。遊び心とメッセージ性を兼ね備えた、挑戦的で魅力的な作品です。このように、昔話などの古い文化や伝統も現代風にアレンジして楽しめるのが日本人の良いところだと思っています。

ジターバグ|ELLEGARDEN

ELLEGARDENの「ジターバグ」は、2005年にリリースされたアルバム『RIOT ON THE GRILL』に収録された楽曲で、疾走感とエモーショナルな歌詞が魅力のパンクロックナンバー。英語詞を中心に構成されており、国境を越えて支持されている一曲です。

「I wanna be with you」「I wanna hold you tight」というフレーズが、シンプルながらも強い感情を伝えてきます。細美武士のボーカルは、叫びにも似た熱量を持ち、ライブでは観客が一斉にジャンプする定番曲として知られています。ギターのリフは鋭く、ドラムは疾走感を加速させ、ベースは地を這うように支える。3分半の中に、青春の衝動が凝縮されています。

私はこの曲を聴いて、「感情を爆発させることも、時には必要だ」と感じました。SNSでは「青春の象徴」「ライブで泣いた」「ELLEGARDENといえばこの曲」という声が多く、今もなお色褪せない名曲です。

初めてこの曲を知ったのは漫画「ふつうの軽音部」でした。主人公が軽音部に入り、途中でこのジターバグを演奏し歌います。歌詞が今までのストーリーに重なる部分もあり、読後すぐにこの曲を探して聴きました。良い曲は時代や時間を超え、また世代や今回の漫画のようにメディアも超えて聴かれ続けていくのだな、と思いました。また忘れられない曲ができました。興味のある方は漫画「ふつうの軽音部」も読んでみてください。ふつうの女子高生の笑いあり涙あり感動ありの軽音部生活のお話しでおすすめです。 → ふつうの軽音部

SUNDAY/Subway Daydream

Subway Daydreamの「SUNDAY」は、日曜の午後のような穏やかな空気感が魅力の一曲です。アコースティックギターの音色と、柔らかなボーカルが心地よくて、何気ない日常が少し特別に感じられるようになります。

この曲を聴いていると、忙しい毎日の中でも、こういう“何もしない時間”って大事だなと思えてきます。EPに収録されている他の曲も同じように優しい雰囲気で、休日のBGMにぴったりです。Subway Daydreamは、都会の喧騒の中にある静けさを音楽で表現しているように感じます。何気ない日曜の午後が、少しだけ豊かになるような、そんな曲です。

MVもメンバーの楽しそうな休日?の出来事が表現されていて、仲の良いところが出ていると思います。こんな仲間との日々の暮らしを送っていきたいものです。

PURPLE BUBBLE「ナツメグ」

PURPLE BUBBLEは、神奈川県日吉を拠点に活動する4人組ポップロックバンド。Gt.Vo.のK-taringを中心に、Gt.せき、Ba.りゅーせー、Dr.嵐丸で構成され、「あなたの憂鬱を吹き飛ばす」をコンセプトに、TikTokやライブハウスを中心に注目を集めています。2025年1月にリリースされたEP『幸せのスパイス』に収録された「ナツメグ」は、彼らの代表曲としてSNSで話題となりました。

「ナツメグ」は、ギターロックを基調にした爽やかで温かみのある楽曲。タイトルの“ナツメグ”は、料理に使われるスパイスの名前で、人生の苦味や喜びを味付けとして捉える象徴的な存在です。疾走感のあるサウンドに乗せて、自己受容や未来への希望を歌い上げています。

歌詞の中で特に印象的だったのは、「自分探すよりも ありのままを愛す方がいい」という一節。この言葉からは、理想の自分を追い求めるよりも、今の自分を受け入れることの大切さが伝わってきます。さらに、「泣いても笑っても 僕はここにいるよ」というフレーズには、どんな感情を抱えていても、自分の存在は揺るがないという力強いメッセージが込められています。

私はこの曲を聴いて、「変わらなきゃ」と焦る気持ちが少し和らぎ、「今の自分でもいいんだ」と思えるようになりました。SNSでは「卒業式の思い出が蘇った」「毎日聴いている」といった声が多く、共感を呼んでいるようです。少し早めの曲調は前に進むのにピッタリです。ウオーキングやなんなら甲子園の行進曲にも合うと思います。

PURPLE BUBBLEの「ナツメグ」は、苦い経験も、甘い記憶も、すべてが自分だけの“スパイス”になることを教えてくれる、優しく力強いギターロックです。

いつか言えたら|HERO COMPLEX

HERO COMPLEXは、福岡発の青春パンクバンド。Vo.カワノシュンスケを中心に、熱量の高いライブと、まっすぐな歌詞で人気を集めています。「いつか言えたら」は、言えなかった想いを抱えながらも前に進もうとする気持ちを描いた、切なくも力強い一曲です。

タイトルからは「言えなかった言葉」と「いつか伝えたい気持ち」が交錯する青春の葛藤が感じられます。サウンドは疾走感のあるギターと、エモーショナルなボーカルが絡み合い、聴いていると自然と胸が熱くなります。

私はこの曲を聴いて、「言えなかったことも、心に残っていればそれでいい」と思えるようになりました。SNSでは「ライブで泣いた」「青春の終わりを感じる」「自分の気持ちを代弁してくれる」といった声が多く、HERO COMPLEXの真骨頂とも言える楽曲です。

ネットでは、かなり早い時期にライブでこの曲を演奏している動画がありました。まだ演奏もつたなく、声やリズムもまだこれからという印象でしたが、何かを伝えたい、自分たちは今これを演奏したい、今ここに来ているみんなに、今の自分たちの全力を見てもらいたい、という熱すぎる想いだけは十二分に伝わってくる良い映像でした。その後で、この曲を聴くと、はるかに洗練されたうまくなった演奏やメロディーに成長を感じると共に、自信を持って観客に歌を届けたいという思いが伝わってきて、なんだか心に響きました。これからも青臭さの少し感じられる勢いの衰えない楽曲を聴かせてもらえたらと思います。

決心/CENT

CENTの「決心」は、元BiSHのセントチヒロ・チッチによるソロプロジェクトの一曲で、作詞はチッチ自身、作曲は銀杏BOYZの峯田和伸が手がけています。アップテンポなロックサウンドに乗せて、揺れる感情や未来への希望がドラマチックに描かれており、聴く者の心を強く揺さぶります。

歌詞には「奇跡はまた起きるかい」「自由を握りしめ」「いのちを掻き鳴らし踊ろう」といったフレーズが並び、人生の選択や愛への覚悟が力強く表現されています。MVでは、チッチがギターを弾きながらカメラを回し、終盤では、チッチがバンドメンバーとともにステージで激しく演奏する姿が映し出されます。ギター、ベース、ドラムが一体となり、まるで感情の爆発のような熱量を感じさせるシーンです。この演奏シーンは、楽曲のテーマである「決心」という言葉の重みを、音と映像の両面から力強く伝えてくれます。作詞はチッチ自身、作曲は銀杏BOYZの峯田和伸が手がけており、ロックの魂が込められた一曲。MVでは、チッチがカメラを手に自らの視点で世界を切り取るような演出もあり、彼女の内面と向き合う姿が印象的です。「決心」は、迷いや不安を抱えながらも前に進もうとする人の背中をそっと押してくれるような、そんな力を持った楽曲だと感じました。

「決心」は、ただの恋愛ソングではなく、自分自身と向き合い、未来を切り開こうとする意志を感じさせる一曲。聴くたびに背中を押してくれるような、そんな力を持った楽曲です。タイトル通り、何かを決める瞬間の揺れる気持ちが描かれていて、聴いていて自分の過去の選択を思い出しました。

ギターの音が少し重めで、歌詞の言葉選びも丁寧。特にサビの部分は、感情がぐっと高まるような構成になっていて、ライブで聴いたらきっと胸に響くと思います。CENTは、明るい曲だけでなく、こうした内面に向き合うような曲も魅力的だと感じました。

sumika「ふっかつのじゅもん」

sumikaは、2013年に結成された日本の4人組ロックバンド。Vo./Gt.の片岡健太を中心に、Gt.黒田隼之介、Dr.荒井智之、Key.小川貴之で構成され、ポップで親しみやすいメロディと、日常に寄り添う歌詞で幅広い層から支持を集めています。ライブでは観客との一体感を大切にし、温かくも力強いステージを展開しています。

「ふっかつのじゅもん」は、2014年にリリースされたアルバム『I co Y』に収録された楽曲。RPGの世界観をモチーフにしながら、現実の困難に立ち向かう姿を描いた、sumikaらしいユニークで力強いロックナンバーです。ギターとピアノが絡むアレンジに、片岡のエモーショナルなボーカルが乗り、聴く者の心を鼓舞します。

「錆びた剣振り回していくんだ」という一節。この言葉からは、完璧ではない自分でも、戦い続けることに意味があるというメッセージが伝わってきます。私はこの歌詞を聴いて、「不完全でも前に進む勇気を持ちたい」と感じました。

歌詞全体には、「毒喰らってしまっても堪えて 光差す方 手の鳴る方へ」「満身創痍勇者はそれでも 光差す方 手の鳴る方へ」といったフレーズが並び、傷つきながらも希望を信じて進む主人公の姿が描かれています。SNSでは「自分を奮い立たせてくれる曲」といった感想が多く、共感を呼んでいるようです。

sumikaの「ふっかつのじゅもん」は、人生という冒険の中で、誰もが勇者になれることを教えてくれる一曲。仲間に出会えなくても、錆びた剣しかなくても、信じた光に向かって進む姿が、聴く人の背中をそっと押してくれ乗って

ライブでは定番のこの曲、「ヘイヘイ」の合いの手を全員で言いながらリズムにのって体を揺らすのは最高です。ぜひ聴いてノリノリになってください。

BiSH「beautifulさ」

BiSHは、2015年に結成された“楽器を持たないパンクバンド”として知られる女性アイドルグループ。メンバーそれぞれが個性的なキャラクターを持ち、エモーショナルな歌詞と激しいライブパフォーマンスで、アイドルの枠を超えた支持を集めてきました。「beautifulさ」は、2016年にリリースされたアルバム『FAKE METAL JACKET』に収録された楽曲で、BiSHの中でも特にメッセージ性の強い一曲です。

この曲は、苦しみや孤独を抱えながらも、それを乗り越えて生きていく姿勢を描いています。疾走感のあるバンドサウンドに乗せて、リンリンが作詞した言葉が胸に刺さります。ジャンルとしてはエモ・パンクに近く、ライブでも観客の涙を誘う定番曲となっています。

歌詞の中で特に印象的だったのは、「泣いた後に 咲くその花は so beautiful beautifulさ」という一節。この言葉からは、苦しみの先にある希望や再生の美しさが伝わってきます。さらに、「どんなとげとげの道も 僕らは乗り越えていくんだし」というフレーズには、困難を乗り越える力強い意志が込められています。ライブでは人差し指をたてて上に突き上げるのが定番です。

私はこの曲を聴いて、「どんなに辛くても、明日は来る」という言葉に救われるような気持ちになりました。SNSでは「泣きながら聴いた」「自分を肯定できるようになった」といった声が多く、BiSHの楽曲の中でも特に共感を呼ぶ作品です。とにかく元気がでます!

BiSHの「beautifulさ」は、傷ついた心に寄り添いながら、明日への一歩を踏み出す勇気をくれる、切なくも力強いロックナンバーです。

あえて紹介のMVはライブバージョンを紹介しています。これを見て聴いていただき、BiSHがなぜ社会現象になるまで人気になったか感じてもらえると嬉しいです。

ハッピーなんて|サバシスター

サバシスターは、2022年に結成された3人組ガールズロックバンド。Vo.なち、Gt.るみなす、Dr.ごうけの構成で、ストレートな言葉と爆発力のあるサウンドが特徴です。「ハッピーなんて」は、auのCMソングとして注目を集めた楽曲で、彼女たちの持つ“日常を肯定する力”が詰まっています。新年早々にこの歌を聴いたときは、今年もいい年にするぞ~とワクワクしました。

「ハッピーなんて そこらじゅうじゅうに 転がっているもんさ」という一節。この言葉からは、幸せを探すのではなく、すでにあるものに気づくことの大切さが伝わってきます。私はこの曲を聴いて、「何かを得ることだけが幸せじゃない」と思えるようになりました。

サウンドは軽快で、ギターのカッティングが心地よく、ボーカルのなちの声がまっすぐに響きます。SNSでは「元気が出る」「朝に聴くと前向きになれる」といった声が多く、日常の中でふと聴きたくなるような存在になっています。ライブでは観客との一体感が強く、自然と笑顔になれる空気感が魅力です。

まとめ|春から初夏へ、心に残った9曲の余韻

2025年春から初夏にかけて、季節の移ろいとともに心に響いた9曲を振り返ってみると、それぞれが異なる色彩を持ちながらも、共通して「感情の揺れ」や「前に進む力」を感じさせてくれました。Super超の「桃太郎の唄」は、ユーモラスでありながら芯のあるメッセージが印象的で、ELLEGARDENの「ジターバグ」は、疾走感とともに青春の葛藤を思い出させてくれます。

Subway Daydreamの「SUNDAY」は、日常の中にある小さな幸せをそっと描き出し、PURPLE BUBBLEの「ナツメグ」は、香り立つような切なさが胸を締めつけます。HERO COMPLEXの「いつか言えたら」は、言葉にできない想いを音に乗せて届けてくれる一曲。CENTの「決心」は、揺れる心と覚悟を力強く表現し、sumikaの「ふっかつのじゅもん」は、遊び心と希望が同居するような不思議な魅力を放っています。

BiSHの「beautifulさ」は、解散後もなお響くメッセージ性があり、サバシスターの「ハッピーなんて」は、幸せの定義を問い直すような鋭さと優しさが同居しています。これらの楽曲は、ジャンルもアプローチも異なりますが、どれも「自分自身と向き合う時間」を与えてくれる存在でした。音楽が持つ力を改めて感じた3か月間。次の季節も、また新しい音との出会いが楽しみです。

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