2025年4月おたいら音楽集|春の余韻に浸る邦楽6選(前編)

毎月心に残ったおすすめ曲をジャンル問わず紹介する「おたいら音楽集」のアイキャッチ画像です 音楽

春の終わりが近づく4月。桜が散り、風が少しだけ暖かさを残して通り過ぎるこの季節は、どこか切なく、そして優しい時間が流れています。そんな春の余韻にぴったりな邦楽を6曲選びました。

今回の「おたいら音楽集」では、幻想的な世界観から青春の記憶、恋の揺らぎ、季節の移ろい、そして生きることへの肯定まで、幅広いテーマを持つ楽曲を紹介します。ジャンルはJ-POP、ロック、ボカロ、アイドル、インディーズと多彩ですが、共通しているのは「心にふわりと届く」こと。

音楽は、季節の記憶をそっと閉じ込めてくれるもの。春の終わりに聴きたい、そんな6曲を、あなたの心に届けられたら嬉しいです。

忘れしの言の葉|未来古代楽団 feat. 安次嶺希和子

幻想的な世界観を持つ未来古代楽団が、沖縄出身の歌手・安次嶺希和子を迎えて制作した「忘れしの言の葉」。スマホゲーム『グリムノーツ』のオープニング曲として知られ、物語性のある歌詞と壮麗なオーケストレーションが印象的です。

「言の葉を紡いで 微睡んだ泡沫」「それは忘れられることなき物語」など、詩的な言葉が並び、まるで絵本の中に迷い込んだような感覚になります。安次嶺の透明感ある歌声が、幻想と郷愁を同時に運んでくれるようで、聴くたびに心が静かに震えます。

私はこの曲を聴いて、「物語の中に生きる感覚」を思い出しました。何か物語の重要な核となる儀式を行うときや、壮大な時の流れを振り返る時にバックで流れそうです。月夜のきれいな晩に何か飲みながら静かに時を過ごす時にこの曲は似合いそうです。SNSでは「癒される」「涙が出る」「人生で一番好きな曲」といった声も多く、ファンタジー音楽の枠を超えて多くの人の心に残る一曲です。

卒業写真だけが知ってる|日向坂46

日向坂46が歌う「卒業写真だけが知ってる」は、春の切なさと青春の記憶を丁寧に描いたアイドルソング。作詞は秋元康、作曲はナスカ。2025年1月にリリースされた曲です。

「卒業写真だけが知ってる 好きだ 好きだ 好きだ 好きだ 僕が好きだったこと」というフレーズが、告白できなかった青春の痛みと美しさを鮮やかに描いています。桜の季節、教室、スマホでの自撮りなど、現代の学生生活をリアルに切り取った描写が共感を呼びます。

私はこの曲を聴いて、「言えなかった気持ちも、確かに存在していた」と思えるようになりました。SNSでは「泣ける」「青春が詰まってる」といった感想が多く、日向坂46の表現力の高さが光る一曲です。日向坂46も活動が長くなり、もうベテランアーティストになりつつあると感じます。各人の自信や自覚が歌にMVに良く表れているなあと思いました。

Baby you|有華

有華の「Baby you」は、恋する気持ちをストレートに、そしてポップに描いたラブソング。2023年にリリースされて以来、TikTokやYouTubeで話題となり、若い世代を中心に支持を集めています。

「Baby you 好きになっちゃうよ 好き好き好き 好 kiss me baby 君にあげる 世界一の愛してる」というサビは、耳に残るキャッチーさと、恋の高揚感を見事に表現しています。有華の歌声は柔らかく、でも芯があり、聴いていると自然と笑顔になれるような力があります。

私はこの曲を聴いて、「恋ってこんなに楽しくて、苦しくて、愛おしいものなんだ」と改めて感じました。SNSでは「踊りたくなる」「元気が出る」「告白前に聴いてる」といった声もあり、恋するすべての人に寄り添う一曲です。

四季刻歌|黒兎ウル

黒兎ウルは、ボカロPとしても活動するシンガーソングライターで、幻想的かつ哲学的な世界観を持つ楽曲が特徴です。「四季刻歌」は、綿飴さん作成の7曲目のオリジナル曲。テーマは【時間】と【恋】です。季節の移ろいと心の変化を重ね合わせた作品で、タイトル通り“刻まれる歌”としての深みがあります。読み方は「シキコクカ」。

春夏秋冬それぞれの情景が浮かぶような構成になっており、聴いているとまるで時間の流れに身を委ねているような感覚になります。サウンドはピアノとストリングスを中心に、静けさと力強さが交互に訪れる構成で、黒兎ウルの歌声がその流れを優しく導いてくれます。 桜の精霊と人間の決して結ばれることのない叶わぬ恋、混じり合わない愛を切なく綴っています。

私はこの曲を聴いて、「季節とともに変わる自分の感情も、すべて大切な記憶なんだ」と思えるようになりました。SNSでは「癒される」「泣ける」「季節ごとに聴きたい」といった声が多く、リスナーの心に寄り添う一曲として支持されています。

新世界|BUMP OF CHICKEN

BUMP OF CHICKENの「新世界」は、2020年にリリースされたアルバム『aurora arc』に収録された楽曲。彼ららしい哲学的な歌詞と、壮大なサウンドが融合した一曲で、「生きること」そのものを肯定してくれるような力があります。

「新世界」というタイトルには、未知への希望と不安が込められており、歌詞の中では「君がいるから 僕はここにいる」といったフレーズが、誰かと共に歩むことの意味を深く問いかけてきます。藤原基央の歌声は、優しさと強さを併せ持ち、聴く者の心にまっすぐ届きます。

私はこの曲を聴いて、「新しい世界に踏み出す勇気は、誰かの存在によって生まれる」と感じました。SNSでは「人生の節目に聴きたい」「泣ける」「BUMPらしさが詰まってる」といった声が多く、彼らの代表曲のひとつとして語られています。

いつか言えたら|HERO COMPLEX

HERO COMPLEXは、福岡発の青春パンクバンド。Vo.カワノシュンスケを中心に、熱量の高いライブと、まっすぐな歌詞で人気を集めています。「いつか言えたら」は、言えなかった想いを抱えながらも前に進もうとする気持ちを描いた、切なくも力強い一曲です。

タイトルからは「言えなかった言葉」と「いつか伝えたい気持ち」が交錯する青春の葛藤が感じられます。サウンドは疾走感のあるギターと、エモーショナルなボーカルが絡み合い、聴いていると自然と胸が熱くなります。

私はこの曲を聴いて、「言えなかったことも、心に残っていればそれでいい」と思えるようになりました。SNSでは「ライブで泣いた」「青春の終わりを感じる」「自分の気持ちを代弁してくれる」といった声が多く、HERO COMPLEXの真骨頂とも言える楽曲です。

ネットでは、かなり早い時期にライブでこの曲を演奏している動画がありました。まだ演奏もつたなく、声やリズムもまだこれからという印象でしたが、何かを伝えたい、自分たちは今これを演奏したい、今ここに来ているみんなに、今の自分たちの全力を見てもらいたい、という熱すぎる想いだけは十二分に伝わってくる良い映像でした。その後で、この曲を聴くと、はるかに洗練されたうまくなった演奏やメロディーに成長を感じると共に、自信を持って観客に歌を届けたいという思いが伝わってきて、なんだか心に響きました。

📝 まとめ

今回紹介した6曲は、春の終わりにふさわしい、余韻と感情の揺らぎを丁寧に描いた作品ばかりでした。幻想的な物語性を持つ「忘れしの言の葉」、青春の痛みを優しく包む「卒業写真だけが知ってる」、恋の高揚感をポップに描いた「Baby you」。

そして、季節の流れと心の変化を重ねた「四季刻歌」、新しい世界への希望を歌った「新世界」、言えなかった想いを抱えながらも前に進む「いつか言えたら」。ジャンルは違えど、どの曲も「今の自分」に寄り添ってくれるような力を持っています。

音楽は、季節の記憶を閉じ込め、感情をそっと引き出してくれる存在です。春の終わりに、ふと立ち止まって聴いてみてください。きっと、あなたの心にふわりと届く一曲が見つかるはずです。

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