7月。梅雨が明け、街には夏の気配が漂い始めました。
気温の上昇とともに、気持ちも少しずつ外向きになっていくこの季節。そんな時期に聴きたい音楽は、ただ盛り上がるだけではなく、心に静かに響くものだったりします。
今月の「おたいら音楽集」前編では、COPESの3曲を中心に、Fish and Lips、Luov、Pulplantの楽曲を紹介します。
いずれも、聴いた瞬間に印象が残る曲ばかりで、音の力だけでなく、言葉の選び方や構成にも工夫が感じられました。
今回は、私自身が聴いて感じたことを、落ち着いた視点でまとめてみたいと思います。
🎵 1. E・I・E・I・O / COPES
COPESの「E・I・E・I・O」は、タイトルのユニークさがまず目を引きます。
聴き始めてすぐに、ギターリフの勢いとリズムのキレが印象的で、ライブでの盛り上がりを想像させるようなエネルギーを感じました。
サビの繰り返しが耳に残りやすく、構成もシンプルながら力強い。歌詞は抽象的ですが、音の勢いがそれを補っていて、感覚的に楽しめるタイプの楽曲です。
この曲は、音楽的な完成度というよりも、感覚に訴えるエネルギーが魅力だと感じました。
聴いているうちに、自然と体が動いてしまう。音楽って、こんなにも直接的に感情を揺さぶるものなんだと改めて感じました。
🎵 2. winner / COPES
「winner」は、COPESの中でもメッセージ性が強い楽曲です。
「君はwinner」というフレーズが繰り返されることで、聴く人の背中を押すような構成になっています。
聴いていて、自然と前向きな気持ちになりました。
ただ、音の勢いだけでなく、歌詞の中にある「迷い」や「不安」も丁寧に描かれていて、単なる応援ソングではない深みがあります。
特に2番以降の展開が印象的で、勝者とは何かを問いかけるような構成になっているのが好印象でした。
この曲は、聴くタイミングによって受け取る印象が変わる、そんな奥行きのある一曲です。
🎵 3. will / COPES
「will」は、COPESの表現力の幅を感じさせる一曲です。
ミディアムテンポの落ち着いたバラードで、音数も少なく、余白を活かしたアレンジが印象的でした。
夜の帰り道に聴いてみたのですが、歌詞の「意志」というテーマが静かに心に響きました。
派手さはないものの、言葉の選び方とメロディの流れが丁寧で、聴き手に寄り添うような構成になっています。
この曲は、COPESの中でも特に「聴く時間帯」によって印象が変わるタイプの楽曲だと感じました。
静かな時間にじっくり聴くことで、より深く味わえる一曲です。
🎵 4. 青春ロックを歌って / Fish and Lips
Fish and Lipsの「青春ロックを歌って」は、タイトル通り青春をテーマにした楽曲です。
聴いていて、過去の記憶が自然と蘇ってきました。
ギターの音色は明るく、歌詞は少し青臭い部分もありますが、それが逆にリアルで、作り込まれすぎていない素朴さが魅力です。
MVでは、夕暮れの校舎や自転車で走るシーンが印象的で、視覚的にも「青春」を感じさせる演出がされています。
この曲は、若い世代だけでなく、かつて青春を過ごしたすべての人に響くものがあると思います。
懐かしさと新しさが同居する、不思議な感覚を味わえる一曲です。
🎵 5. 大脱走計画 / Luov
Luovの「大脱走計画」は、タイトルからしてインパクトがあります。
聴いてみると、ギターのカッティングとリズムの展開が非常にアグレッシブで、閉塞感からの解放をテーマにした構成が印象的でした。
歌詞は「このままじゃ終われない」「抜け出したい」という強い意志が込められていて、現代の若者の心情に寄り添っているように感じます。
聴いていて自然と気持ちが前向きになり、「何かを変えたい」という衝動に駆られました。
この曲は、**音楽が持つ「行動のきっかけになる力」**を感じさせてくれる一曲です。
日常に閉塞感を感じている人にこそ、ぜひ聴いてほしいと思いました。
🎵 6. 何者 / Pulplant
Pulplantの「何者」は、静かなイントロから始まり、徐々に感情が高まっていく構成が特徴的です。
聴いていて、自然と自分自身のことを考える時間になりました。
「僕は何者なんだろう」という問いかけは、誰もが一度は抱えるもの。
この曲は、その問いに対して答えを出すのではなく、問い続けることの大切さを教えてくれるような気がします。
音の構成も静と動が交差していて、聴き手の感情を揺さぶる力があります。
この曲を聴いた後、しばらく無言で過ごしたくなるような、そんな余韻が残りました。
📝 まとめ
今回紹介した6曲は、どれも「夏」という季節にぴったりなだけでなく、聴く人の心に静かに語りかけてくるような力を持っています。
COPESの3曲は、バンドとしての多様性と成長を感じさせるラインナップで、Fish and Lips、Luov、Pulplantもそれぞれの視点から「今」を切り取っている印象でした。
音楽は、ただ盛り上がるだけではなく、時には自分自身と向き合うきっかけにもなります。
この6曲が、あなたの夏の記憶にそっと寄り添ってくれることを願っています。
後編では、さらに6曲を紹介予定です。夏の終わりに向けて、心に残る音楽を一緒に探していきましょう。
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