2025年8月おたいら音楽集|心に寄り添う6曲(前編)

毎月心に残ったおすすめ曲をジャンル問わず紹介する「おたいら音楽集」のアイキャッチ画像です 音楽

こんにちは。邦楽ロック・インディーズの魅力を毎月お届けするこのブログ。2025年8月は、感情の揺らぎや日常の一瞬を切り取ったような、心に残る楽曲が多数リリースされました。今回はその中から、前編として6曲をピックアップ。新しい音楽との出会いを、ぜひ楽しんでください。


「赤春花」/Studio April

情熱と別れが交差する、季節の狭間の物語

Studio Aprilが放つ「赤春花」は、タイトルからして詩的で、聴く前から物語を感じさせる一曲です。春の終わりと夏の始まりを象徴する“赤い春の花”という造語が、青春の終焉と新たな旅立ちを暗示しているように響きます。

『赤春花』を歌うのはユニットStudio April。豪華アーティスト達が集結しました。
【Studio April 参加メンバー】
片岡健太(sumika)/石野理子(Aooo)/井上花月(Laura day romance)/imase/大野雄大(Da-iCE)/ちとせみな(カネヨリマサル)/中島颯太(FANTASTICS)/橋本学(ハルカミライ)/Moto(Chilli Beans.)/りょたち(ねぐせ。)

イントロの「桜舞って宙を舞って」は、まるで夕暮れの風のように柔らかく、そこに乗るボーカルは切なさと希望を同時に抱えているよう。ここから物語が始まる予感を感じさせます。イントロと同じサビでは一気に感情が爆発し、聴く者の心を揺さぶります。

SNSでは「卒業式の帰り道に聴きたい曲」「MVの映像が映画みたい」といった声が多く、映像と音楽の融合が高く評価されています。特にMVでは、赤い花びらが舞う中で歩く少女の姿が印象的で、楽曲の世界観をより深く体感できます。

*残念ながら配信は終了とのことです。


「人生は素晴らしい」/ちゃんゆ胃

笑って泣ける、等身大のポジティブソング

ちゃんゆ胃の「人生は素晴らしい」は、タイトルだけ見ると明るい応援歌のようですが、実際にはもっと深い感情が込められています。日々の小さな悩みや葛藤を描きながら、それでも「人生は素晴らしい」と言い切る強さが、この曲の魅力です。

歌詞には「占いなんて当てにならないとは言いつつ横目でチェック」「意味のない3日坊主ならぬ2日坊主のダイエット」といった、誰もが経験するような感情が綴られています。それでも最後には「それでも、人生は素晴らしい」と締めくくられ、聴く人の背中をそっと押してくれるような優しさがあります。「どうにかなるさ笑っていよう」とはまさにその通り、笑う門には福来るです。

TikTokでの弾き語り動画がバズり、「泣きながら笑える曲」「自分の気持ちを代弁してくれている」と若い世代を中心に支持を集めています。ライブでは、観客が自然と手拍子を始める場面も多く、共感の輪が広がっているのを感じます。


「Victory」/ねぎ塩豚丼

疾走感と熱量が炸裂する、勝利へのアンセム

東京・五反田発の現役高校生による4ピースバンド。通称「ネギトン」。軽音楽部での結成を機に活動を開始し、Vo/Gt.なお、Gt.さえ、Ba.かずさ、Dr.あいねで構成され、バンド名の「とんどん」という読みは、メンバーの読み間違えに由来します。

容姿端麗なメンバーでありながら、楽曲アレンジやステージパフォーマンスは男勝りで激しいロックを基調としており、そのギャップが評価されています。

ねぎ塩豚丼というユニークな名前のユニットが放つ「Victory」は、まさに“勝利”をテーマにしたロックナンバー。イントロから疾走感があり、ドラムとギターが一体となって聴く者を鼓舞します。

歌詞には「負けても立ち上がる」「誰かの期待に応えるより、自分を信じる」といった力強いメッセージが込められており、スポーツ系の動画やイベントのBGMとしても人気を集めています。

YouTubeのコメント欄には「部活の大会前に聴いてる」「この曲で走るとタイムが伸びる気がする」といった声が並び、まさに“聴くエナジードリンク”のような存在です。特にサビの最後の「v-v-v-victory」が特に最高と思っている人は私だけでは無いはず。つい言っちゃいます。

等身大のメッセージを込めた楽曲がSNSを中心に注目を集めていますが、現在は受験休止中。早くの再開を楽しみにしています。


「備忘録少年」/ねぎ塩豚丼

過去と向き合う、メロディアスな回想の旅

同じくねぎ塩豚丼の「備忘録少年」は、「Victory」とは対照的に、内省的でメロディアックな楽曲です。タイトルの“備忘録”という言葉が示すように、少年時代の記憶を綴るような歌詞が印象的。

「後味の悪いこの劣等感」「僕による僕の為だけの嘘」といったフレーズが、聴く人の心に静かに染み渡ります。メロディはシンプルながらも深みがあり、夜に一人で聴きたくなるような雰囲気。

ファンの間では「この曲を聴くと、自分の過去と向き合いたくなる」「日記を書きたくなる」といった感想が多く、感情を整理するきっかけになる楽曲として支持されています。

「ふり」/日曜日のメゾンデ

“ふり”をすることで守る心、隠す感情のリアル

日曜日のメゾンデが描く「ふり」は、“平気なふり”“好きなふり”など、感情を隠すことに焦点を当てた一曲。現代社会において、誰もが何かしらの“ふり”をして生きているというテーマが、静かに、しかし鋭く突き刺さります。

楽曲は静かなピアノから始まり、徐々にストリングスが加わることで感情の高まりを表現。ボーカルは抑えたトーンながらも、言葉の一つひとつに重みがあり、聴く者の心に深く残ります。早口で想いをたたきつけるように歌い続ける様子が心に響きます。

MVは一人の少女の表と裏の感情の揺れ動きを表現していてが印象的。バレエダンサーが回るシーンもどちらが本当の自分か自問自答している様子を感じさせます。「この曲を聴くと、自分の“ふり”に気づかされる」「涙が出た」というコメントが多く、共感性の高い作品となっています。


「アンセム」/やさしいひとたち。

誰かのために歌う、優しさの詰まった応援歌

やさしいひとたち。の「アンセム」は、バンド名にふさわしい、優しさに満ちた応援歌です。「今日も貴方を讃えましょう」「今日も私を讃えましょう」というサビのフレーズが、聴く人の心をぐっと包み込みます。

この曲は、実はタイアップ曲の依頼だったのですが、進行がギリギリでかなり大急ぎで作成されたらしいです。そんな時ほど名曲がうまれることがありますが、この曲がまさにそんな感じです。

曲も良いのですが、MVがまた特殊です。曲だけ聞くと明るい応援歌っぽいのですが、MVは何故か若い女性がラーメン屋で奮闘する動画になっています。どうしてこの曲にラーメン屋のドタバタを組み入れたの?と制作者を問い詰めたくなりますが、このタイアップがラーメン番組となっており、その関係かと納得ですが、やはりMVの動画とこの曲の組み合わせはシュールでなかなかキテます笑。

SNSでは「朝聞くと元気が出る」「朝の通勤前に聴くと元気が出る」といった声が多く、日常に寄り添う音楽として人気を集めています。ライブでは、観客が自然と涙する場面もあるそうです。


まとめ|感情に寄り添う音楽との出会い

今回紹介した6曲は、それぞれ異なるテーマや音楽性を持ちながらも、共通して“感情に寄り添う”という点で繋がっています。インディーズならではの自由な表現と、聴く人の心に響くメッセージが詰まった楽曲ばかりです。

音楽は、言葉にできない気持ちを代弁してくれる存在。今回の6曲が、あなたの心にそっと寄り添うことを願っています。

次回は中編として、さらに6曲をご紹介します。どうぞお楽しみに!

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