2025年10月おたいら音楽集|心の奥に灯る6曲(その1)

毎月心に残ったおすすめ曲をジャンル問わず紹介する「おたいら音楽集」のアイキャッチ画像です 音楽

秋の風が頬を撫でるように優しく、街の色彩が少しずつ深みを増していく季節。そんな10月に、心の奥に静かに灯るような音楽を集めました。今月の「おたいら音楽集」では、言葉の余韻が長く残る6曲をセレクト。どの曲も、聴く人の感情にそっと触れ、日常の中にある小さな揺らぎを優しく包み込んでくれます。

今回紹介するのは、PEDRO「1999」、Aimer「太陽が昇らない世界」、back number「幕が上がる」、LiSA「残酷な夜に輝け」、May Forth「月のセレナーデ」、Official髭男dism「らしさ」の6曲。それぞれの曲に込められた想いや背景、そして私自身が感じた印象を交えながら、じっくりと紹介していきます。

音楽は、言葉以上に心を動かす力を持っています。この6曲が、あなたの秋の日々にそっと寄り添う存在になりますように。

🎵 1. 1999 / PEDRO

PEDROはBiSHのアユニ・Dによるソロプロジェクトで、彼女の音楽は感情の奥底をえぐるような鋭さと、どこか儚げな美しさを併せ持っています。「1999」は彼女の生まれた年をタイトルに冠した楽曲で、自分自身の存在を問い直すような力強さが感じられます。

イントロのギターリフは、懐かしさと鋭さが同居していて、まるで過去と現在をつなぐ橋のよう。歌詞には「自分探しの旅に出る」というフレーズがあり、これは多くの若者が抱える漠然とした不安や焦燥を代弁しているように思えます。「こんにちは 僕です」の歌詞でもわかるように、自分に向けた呼びかけで、自分の決意を再確認、再決意する、心奮い立つ曲です。

この曲を聴いたとき、私は「自分の存在を肯定するための叫び」のように感じました。アユニ・Dの声は、叫びにも祈りにも聞こえる不思議な力を持っていて、聴くたびに胸が締め付けられるような感覚になります。彼女の音楽は、感情の奥底にあるものを引き出してくれるようです。

🎵 2. 太陽が昇らない世界 / Aimer

Aimerの歌声は、夜の静けさを思わせる深い響きを持っています。「太陽が昇らない世界」は、彼女の幻想的な世界観が存分に発揮された一曲。タイトルからもわかるように、光の届かない場所で生きる人々の孤独や希望を描いています。

ピアノとストリングスが織りなすサウンドは、まるで霧の中を歩いているような感覚。歌詞には「闇の中で見つけた小さな光」というフレーズがあり、それがこの曲の核心です。絶望の中でも、微かな希望を見つけて前に進もうとする姿勢が胸を打ちます。

私はこの曲を聴いて、心が疲れているときにこそ聴きたくなると感じました。Aimerの声は、聴く人の心に寄り添いながら、そっと背中を押してくれるような存在です。夜の静寂に包まれながら、希望を探す旅に出るような気持ちになります。

こちらは映画劇場版「鬼滅の刃」無限城編 』第一章 猗窩座再来』 主題歌です。冒頭でこれから戦いに赴く主人公達のバックで流れています。曲が流れている間、彼らが最終決戦の場を進んでいきます。もちろん敵は強大、強敵、この戦いで命を落とす仲間もいることでしょう。しかしラスボスを倒すという最終目的のために、一丸となって各々の敵に向かっていく。そんな彼らを命の底から出ているかのようなメロディーと声で補助するかのような曲です。

何かを成し遂げたいことがあるとき、この曲を聴いてみてから始めてください。聴き終わった後には少しだけ勇気が増えていることでしょう。

🎵 3. 幕が上がる / back number

back numberの「幕が上がる」は、劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』の主題歌として書き下ろされた楽曲。命と向き合う現場の緊張感と、そこにある人間の感情が丁寧に描かれています。

歌詞の中で印象的なのは「怖いけど 震えは止まってないけど」「止まない拍手も 光の雨も 特別なものはいらない」「なぜか僕を選んだあなたの 見慣れた笑顔が 最後のゴールであって欲しいんだ」といったフレーズ。これらの言葉からは、誰かのために立ち上がる覚悟と、支えてくれる存在への感謝がにじみ出ています。

私はこの曲を聴いて、「強くなりたい」と願う気持ちが、どれほど人を前に進ませるかを改めて感じました。back numberの音楽は、弱さを抱えながらも立ち向かう人々への賛歌のようで、聴くたびに心が震えます。

がっつり安心のback number節のこの曲。ぜひ秋の日常に流して過ごしてください。

🎵 4. 残酷な夜に輝け / LiSA

LiSAの「残酷な夜に輝け」は、劇場版『鬼滅の刃 無限城編』の主題歌として書き下ろされた楽曲。作詞・作曲は梶浦由記が手がけており、壮大な世界観と緊張感が凝縮された一曲です。

重厚なストリングスと疾走感のあるドラムが印象的で、まるで戦いの場面をそのまま音にしたような迫力があります。歌詞には「憎しみよりも強い気持ち探してた」「明日へ篝火を高く燃やすから 残酷な夜に輝け」といったフレーズがあり、絶望の中でも希望を掲げて進む姿が描かれています。

私はこの曲を聴いて、闇の中で光を掲げるような覚悟と祈りを感じました。LiSAの歌声は、闇を切り裂く光のように、聴く者の心に深く届きます。まさに“全てがクライマックス”のような構成で、聴き終えた後に残る余韻がとても強い一曲です。

映画ではラストのエンディングで流れています。この映画は3部作の1作目。最終決戦の話ですが、まだあと2作分の激闘が熱く語られることでしょう。この映画でもいろいろな戦いがあり、それをいたわりつつ、これからもきの抜けない、しかし最後には幸せな結末がくることを願っている、そんな曲となっています。個人的には映画の続きが待ち遠しくてしかたありません。

🎵 5. 月のセレナーデ / May Forth

May Forthは名古屋を拠点に活動するロックバンドで、繊細な詞世界とエネルギッシュなバンドサウンドが魅力です。「月のセレナーデ」は、彼らの1stミニアルバム『Atmosphere』に収録された楽曲で、BPM115の疾走感あるギターサウンドが印象的な一曲です。

この曲は、以前発表された「海のセレナーデ」と対になるような構成で、夜と海、月と波といった自然のモチーフを通して、感情の揺らぎや愛のかたちを描いています。歌詞には「あなたの手が頬に触れる度 また魔法にかかっていく」といったフレーズがあり、触れ合いの瞬間に生まれる心の変化が丁寧に表現されています。

私はこの曲を聴いて、静けさよりもむしろ「感情の爆発」に近いものを感じました。月というモチーフが、穏やかさではなく、夜に燃えるような情熱として描かれているように思えます。May Forthの音楽は、感情の深部を激しく揺さぶりながらも、どこか繊細さを失わないバランスが魅力です。

1分35秒と短い曲ですが、その分込められた歌詞や声を噛みしめて聞いてみてください。

🎵 6. らしさ / Official髭男dism

Official髭男dismの「らしさ」は、劇場アニメ『ひゃくえむ。』の主題歌として書き下ろされた楽曲。疾走感のあるサウンドと、自己肯定と葛藤を描いた歌詞が印象的です。

「誇るよ全部 僕が僕であるための要素を」「好きだよ全部 君という僕の黒い部分も」という歌詞は、自分の弱さも含めて受け入れる姿勢を示していて、聴く者に勇気を与えてくれます。藤原聡の歌声は、明るさと陰りを巧みに使い分け、曲の感情を見事に表現しています。

私はこの曲を聴いて、「自分らしさに悩むことも、前に進む力になる」と感じました。髭男らしい繊細さと力強さが融合した、心に残る一曲です。走り続けることの意味を、音楽を通して教えてくれるような作品です。

また1つ髭男の名曲が増えました。少し元気が無い時、とっても良い予定がある日などに聞いて元気をもらってください。私はしばらくヘビロテです。

📝 まとめ

今回紹介した6曲は、それぞれ異なるジャンルや背景を持ちながらも、共通して「心の奥に灯る」ような力を持っていました。PEDROの「1999」は、自分の存在を問い直す鋭い叫び。Aimerの「太陽が昇らない世界」は、闇の中でも希望を探す静かな祈り。back numberの「幕が上がる」は、誰かのために立ち上がる覚悟と感謝。

LiSAの「残酷な夜に輝け」は、絶望の中でも光を掲げる強さ。May Forthの「月のセレナーデ」は、夜の静けさに寄り添う優しい愛。そしてOfficial髭男dismの「らしさ」は、自分らしさを肯定する勇気をくれる応援歌。

どの曲も、聴く人の心に深く触れ、日常の中にある感情をそっと照らしてくれます。音楽は、言葉以上に感情を伝える力を持っています。この6曲が、あなたの秋の日々に寄り添う存在になりますように。

🔗 関連リンク

  • PEDRO 公式サイト:https://www.pedro.tokyo
  • Aimer 公式サイト:https://www.aimer-web.jp
  • back number 公式サイト:https://backnumber.info
  • LiSA 公式サイト:https://www.lxixsxa.com
  • May Forth Instagram:https://www.instagram.com/mayforth_band
  • Official髭男dism 公式サイト:https://higedan.com

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