2025年5月おたいら音楽集|日常に風穴をあける6曲(後編)

毎月心に残ったおすすめ曲をジャンル問わず紹介する「おたいら音楽集」のアイキャッチ画像です 音楽

5月は、春の終わりと夏の始まりが交差する季節。新生活に慣れ始めた頃、ふとした瞬間に心が揺れることがあります。そんな時、音楽は日常に風穴をあけてくれる存在です。今回の「おたいら音楽集」後編では、そんな日々の中で出会った6曲を紹介します。

ジャンルはロック、ポップ、アイドル、カバーまで幅広く、どれも「今の自分」に寄り添ってくれるような力を持った楽曲ばかり。聴いた瞬間に心が動いた、そんな曲たちを、丁寧に言葉にしてみました。

音楽は、日常の中にある小さな感情をすくい上げてくれるもの。今回の6曲は、そんな“すくい上げる力”を持った作品ばかりです。日々の忙しさに埋もれてしまいそうな感情を、そっと引き出してくれる音楽の力を、改めて感じていただけたら嬉しいです。

ハッピーなんて|サバシスター

サバシスターは、2022年に結成された3人組ガールズロックバンド。Vo.なち、Gt.るみなす、Dr.ごうけの構成で、ストレートな言葉と爆発力のあるサウンドが特徴です。「ハッピーなんて」は、auのCMソングとして注目を集めた楽曲で、彼女たちの持つ“日常を肯定する力”が詰まっています。新年早々にこの歌を聴いたときは、今年もいい年にするぞ~とワクワクしました。

「ハッピーなんて そこらじゅうじゅうに 転がっているもんさ」という一節。この言葉からは、幸せを探すのではなく、すでにあるものに気づくことの大切さが伝わってきます。私はこの曲を聴いて、「何かを得ることだけが幸せじゃない」と思えるようになりました。

サウンドは軽快で、ギターのカッティングが心地よく、ボーカルのなちの声がまっすぐに響きます。SNSでは「元気が出る」「朝に聴くと前向きになれる」といった声が多く、日常の中でふと聴きたくなるような存在になっています。ライブでは観客との一体感が強く、自然と笑顔になれる空気感が魅力です。

Vinyl Change The World|ザ50回転ズ

ザ50回転ズは、大阪発の3人組ガレージロックバンド。Vo./Gt.ダニー、Ba.ドリー、Dr.ボギーの構成で、2000年代から活動を続けるベテランバンドです。「Vinyl Change The World」は、アナログレコードへの愛とロックンロールの力を信じる熱いメッセージが込められた楽曲。

ライブ映像やインタビューからは「音楽で世界を変える」という信念が感じられます。ザ50回転ズのサウンドは、どこか懐かしく、それでいて今の時代にも響く力を持っています。ギターの歪み、ベースのうねり、ドラムの力強さが三位一体となり、聴く者の心を揺さぶります。ダニーの声が意外と優しいのも私の好みです。民話の朗読なんてとても上手そうです笑。

私はこの曲を聴いて、「音楽は形じゃなくて魂だ」と感じました。SNSでは「レコード好きにはたまらない」「ライブで泣いた」といった声もあり、音楽への愛を再確認させてくれる一曲です。アナログの温かみと、ロックの衝動が融合したこの曲は、音楽の原点を思い出させてくれます。

バチコイ|ジ・エンプティ

ジ・エンプティは、関西を拠点に活動するインディーズバンド。「バチコイ」は、タイトルからして勢いのある応援歌で、ライブハウスでの熱量がそのまま音源に詰め込まれたような楽曲です。

曲全体からは「来いよ!」「ぶつかってこい!」というメッセージが感じられ、聴いているだけで元気が湧いてきます。ギターのリフとドラムの疾走感が心を揺さぶり、ボーカルの叫びがまっすぐに届く。まるで格闘技の入場曲のような迫力があり、聴く者のテンションを一気に引き上げてくれます。もうなんかザ・ストレートソングって感じです。若者の言葉にならない、もうわけわからないけどとにかく叫びたい、暴れたい(暴力って意味ではなく)衝動に満ちた曲になっています。

私はこの曲を聴いて、「何かに挑戦したくなる衝動」に駆られました。SNSでは「部活前に聴いてる」「朝の通勤でテンション上げてる」といった声もあり、日常の中で戦う人々に寄り添う一曲です。ジ・エンプティのライブでは、観客が拳を突き上げて一体となる瞬間があり、その熱気がこの曲の魅力をさらに引き立てています。

モブなりのカンフー|ネクライトーキー

ネクライトーキーは、もっさをボーカルに活動する5人組バンド。ユーモアと哲学が混ざり合った独特の世界観が魅力で、「モブなりのカンフー」はその真骨頂とも言える楽曲です。朝日さんの「石風呂」時代から好きだった私には、石風呂節全開の和風銭湯ロックが耳に心地よいです。2023年の茨城ラッキーフェスでは生パフォーマンスを観戦できて大興奮でした。

タイトルからは「主役じゃなくても、自分なりに戦える」というメッセージが感じられます。ネクライトーキーのサウンドは、ポップでありながら鋭く、聴くたびに新しい発見があります。ギターのリズム、ベースの遊び心、ドラムの緩急、そしてもっさのボーカルが絶妙に絡み合い、聴いていて飽きることがありません。

私はこの曲を聴いて、「目立たなくても、自分のやり方で生きていい」と思えるようになりました。SNSでは「自分を肯定できる曲」「笑えるのに泣ける」といった感想が多く、共感を呼んでいます。ライブでは、ネクライトーキーの持つ“感情の幅”がこの曲に凝縮されています。

MVでは「やや治安の悪そうな服装」でエキストラを集めたとか。確かにガッツリではなく、”やや”感の悪い風味の人ばかり登場して、最初はエキストラばかり見ちゃいました。これも感想のピロピロメロディーがスルメ曲のように耳に残ります。

仮契約のシンデレラ|私立恵比寿中学

私立恵比寿中学(通称:エビ中)は、スターダストプロモーション所属の女性アイドルグループ。「仮契約のシンデレラ」は、2012年にリリースされた代表曲で、疾走感と切なさが同居するアイドルポップの名曲です。

「仮契約」という言葉に込められた不安と希望が、青春の一瞬を切り取るように響きます。エビ中の楽曲は、アイドルらしさと文学的な深さが共存していて、聴き手の感情を揺さぶります。サウンドは明るく、しかしどこか切なく、歌詞の世界観を引き立てています。

私はこの曲を聴いて、「一時的でも、誰かに必要とされることの尊さ」を感じました。世代を超えて愛される一曲です。ライブでは、メンバーの表情や振り付けが歌詞とリンクしていて、1本の物語を観たような充実感のあるステージが印象的です。

MVはそのライブ版を載せました。ぜひ視聴してもらい、各人のキャラクターやセリフ口調の歌詞、ダンスパフォーマンス、なんですかそのオチはのラストなど、4分50秒のエビ中劇場をご堪能くださいませ。

今はいいんだよ(Covered by Kotoha)|MIMI

MIMIの原曲を、Kotohaが繊細にカバーした「今はいいんだよ」。ピアノと歌声だけで紡がれるこの楽曲は、静かな夜にそっと寄り添ってくれるような存在です。

「今はそれでいい」というメッセージが、聴く人の心を優しく包み込みます。Kotohaの歌声は、透明感がありながらも芯があり、聴いていると自然と涙がこぼれそうになります。ピアノの音色は静かで、でも確かに感情を運んでくれる。

私はこの曲を聴いて、「無理に前を向かなくてもいい」と思えるようになりました。SNSでは「夜に聴くと泣ける」「自分を許せるようになる」といった声が多く、癒しの一曲として支持されています。カバーでありながら、Kotohaの解釈が加わることで、原曲とはまた違った深みが生まれています。

📝 まとめ

今回紹介した6曲は、どれも日常に風穴をあけてくれるような力を持っています。元気をくれる曲、そっと寄り添ってくれる曲、自分を肯定してくれる曲。ジャンルは違えど、共通しているのは「聴いた瞬間に心が動いた」ということ。

音楽は、言葉にならない感情を代弁してくれる存在です。忙しい日々の中で、ふと立ち止まった時に聴いてみてください。きっと、あなたの心にふわりと届く一曲が見つかるはずです。

音楽は、私たちの生活にそっと寄り添い、時には背中を押してくれる。そんな力を持った6曲を、ぜひあなたのプレイリストに加えてみてください。


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