2025年12月おたいら音楽集|終わりと始まりの音楽を探して(後編)

毎月心に残ったおすすめ曲をジャンル問わず紹介する「おたいら音楽集」のアイキャッチ画像です 音楽

序文

12月の街は、どこか特別な匂いがします。イルミネーションが夜を彩り、カフェからは甘いココアの香り。人々はプレゼントを抱え、急ぎ足で家路を急ぎます。その光景を眺めながら、私たちはふと立ち止まるのです。「今年はどんな一年だっただろう?」と。

年末は、時間がゆっくりと流れる不思議な季節です。カレンダーの最後のページをめくるとき、過ぎ去った日々の記憶が胸に押し寄せてくる。そして同時に、新しい年への期待が静かに芽生える。そんな「終わり」と「始まり」が交差する瞬間に、音楽はいつも寄り添ってくれます。言葉にできない感情を、メロディがやさしく包み込んでくれるから。

今回のテーマは「終わりと始まりの音楽」。一年の締めくくりにふさわしい、そして新しい年を迎える勇気をくれる曲を集めました。紹介するのは、MIMI feat. 月の「声の欠片」、タイトル未定の「空」、Myukの「雪唄」、アルヒノータの「6インチの孤独から」、そしてズーカラデルの「漂流劇団」。それぞれの曲が描く物語は、きっとあなたの心にも響くはずです。

この冬、あなたはどんな音楽と過ごしますか?ページをめくるように、次の一曲へ進んでみましょう。


① 声の欠片 / MIMI feat. 月

MIMIは、繊細な言葉選びと透明感のある歌声で知られるシンガーソングライター。今回の「声の欠片」は、彼女が「言葉にならない想い」をテーマに作り上げた楽曲で、ゲストボーカルに月を迎えたことで、より深みのある世界観が生まれています。

この曲の始まりは、静かなピアノのアルペジオ。そこに月の柔らかな声が重なり、まるで冬の空気が震えるような感覚を覚えます。聴き手は「声」という儚い存在に心を奪われます。歌詞には「声は消えても、想いは残る」というニュアンスが込められていて、年末のセンチメンタルな気持ちにぴったり。

この曲は「誰かに届くかもしれない声」がイメージされます。SNSや電話で繋がっていても、直接会えない距離感を感じる現代において、声は一瞬で消えるけれど、その響きは心に残る。そんな儚さを音楽で表現しているように感じます。

聴いていると、帰省の電車で窓の外を眺めながら、ふと誰かの声を思い出すような気持ちになります。冬の夜に一人で聴くと、胸の奥に小さな灯りがともるような、そんな曲です。


② 空 / タイトル未定

「タイトル未定」という名前のアイドルグループ、ちょっとユニークですよね。彼女たちの楽曲「空」は、グループの持つコンセプト「未完成の美しさ」を象徴するような一曲です。イントロから広がる音が、まるで青空を駆け抜けるような疾走感を演出し、聴いているだけで心が軽くなるような感覚を与えてくれます。

歌詞には「まだ見ぬ景色を探して」というニュアンスが込められていて、年末の「来年はもっと頑張ろう」という気持ちに寄り添ってくれているように聞こえます。アイドルソングながら、しっかりとしたバンドサウンドが心地よいのもポイントで、ギターのカッティングやドラムのビートが楽曲に力強さを与えています。

曲には「空」という言葉に込められた自由さや広がりをどう表現するかが考えられた歌詞になっているような気がします。振付にも「空を掴む」ような動きが取り入れられ、視覚的にも楽曲のテーマが伝わる仕上がりになっています。MVは広い草原の中でメンバーが空に向かって何かを語りかけるようなしぐさがあり、とても印象的なものになっています。

この曲を聴くと、年末の慌ただしさの中でふと立ち止まり、「来年はもっと遠くへ行けるかもしれない」と思える。そんな前向きな気持ちをくれる一曲です。


③ 雪唄 / Myuk

Myukは、アニメ主題歌で一躍有名になった実力派シンガー。今回の「雪唄」は、冬の情景を切り取ったバラードで、彼女の透明感ある声が存分に活かされています。ピアノとストリングスを中心にしたアレンジが、雪の降る街を思わせる静けさを演出し、聴いているとまるで時間がゆっくり流れるような感覚に。

歌詞には「雪は消えても、記憶は残る」というテーマが込められていて、年末のノスタルジーにぴったり。「冬の孤独と温もり」を表現するために、何度も歌詞の構成を考えたのかな?と思ってしまいます。雪の降る街で過ごした記憶を思い出しながら歌ったのでは、とも思われます。鶴の恩返しがテーマとのことですが、少し物悲しくでも力強さもある曲のアレンジが耳に残ります。

この曲を聴くと、窓の外に降る雪を眺めながら、過ぎ去った一年を静かに振り返る気持ちになります。誰かと過ごす時間も大切だけれど、一人で過ごす冬の夜にこそ、この曲の美しさが際立ちます。


④ 6インチの孤独から / アルヒノータ

アルヒノータは、インディーズシーンでじわじわと人気を集めるロックバンド。「6インチの孤独から」というタイトル、ちょっと不思議ですよね。実はこの曲、スマホ画面(約6インチ)を通して感じる孤独をテーマにしています。SNSで繋がっているはずなのに、どこか孤独を感じる現代人の心情を、エモーショナルなギターと切ないメロディで描いています。

「スマホに映る世界は本当に現実なのか?」という問いを投げかけられたら、私は何と答えられるのでしょうか。歌詞には「誰かと繋がりたいけど、繋がれない」という葛藤が込められていて、聴く人の心に深く刺さります。

この曲を聴くと、年末にスマホを見ながら過ごす時間に、ふと「本当に大切なものは画面の外にあるのかもしれない」と思える。そんな気づきをくれる一曲です。


⑤ 漂流劇団 / ズーカラデル

ズーカラデルは、北海道出身の3人組ロックバンド。彼らの楽曲は、どこか旅情を感じさせるものが多いですが、「漂流劇団」はその中でも特にドラマチックな一曲です。疾走感のあるギターと、おもちゃ箱のような明るいメロディが、まるで「人生という劇場を漂流する僕ら」を描いているよう。ちょっと気分が落ち込んだりするときもありますが、そんな時に笑顔をもらえる、元気をもらえる曲になっています。

「あなたを笑わせたいのだ」というテーマなのかは分かりませんが、年末に聴くと、「今年もいろいろあったな」としみじみしつつ、「来年はもっと自由に生きよう」と思える曲です。笑えることができれば、たいていのことはなんとかなります。今年の最後に、このグループとこの曲に出会えたことは幸せでした。何だか今まで何か残念なことがあったとしても、この曲を聴いて、来年はもっといい年になるといいな、出来るといいな、という気持ちにさせてくれる良曲だと思います。来年の個人的に要注目なグループの一つになりました。追いかけていきたいと思っています。


まとめ

2025年という一年を振り返ると、音楽はいつも私たちのそばにありました。楽しい時も、苦しい時も、何気ない日常の中で、ふと耳にしたメロディが心を支えてくれた瞬間があったはずです。今回紹介した5曲は、そんな「終わりと始まり」の季節にぴったりの楽曲ばかりでした。

MIMI feat. 月の「声の欠片」は、消えてしまう声の儚さを描きながら、想いは残るという希望をそっと差し出してくれます。タイトル未定の「空」は、未来への扉を開くような疾走感で、年末の不安を前向きな力に変えてくれる。Myukの「雪唄」は、静かな雪景色の中で過去を優しく抱きしめる曲。アルヒノータの「6インチの孤独から」は、スマホ越しの世界に潜む孤独を見つめながら、本当に大切なものを問いかけます。そしてズーカラデルの「漂流劇団」は、人生という舞台を漂う私たちに「それでも進もう」と語りかける一曲でした。

年末は、過ぎ去った時間を思い出しながら、新しい時間に期待を寄せる特別な瞬間です。そんな時、音楽は記憶を閉じる鍵であり、未来を開く扉でもあります。あなたにとって、この一年を象徴する曲は何でしたか?そして、来年はどんな音楽と出会うのでしょうか。

2026年も、音楽はきっとあなたのそばにあります。次回「2026年1月おたいら音楽集」では、新しい年にふさわしい希望の曲をお届けできたらと思います。どうぞお楽しみに。


関連リンク

MIMI | ARTIST
タイトル未定 Official Site
Myuk
アルヒノータ
ズーカラデル OFFICIAL SITE

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